HOMEビジネス パリ五輪も控えるスポーツ業界の景気動向 コロナ前・コロナ禍との比較は?【帝国データバンク調査】

パリ五輪も控えるスポーツ業界の景気動向 コロナ前・コロナ禍との比較は?【帝国データバンク調査】

川上雅結

2024/05/09(最終更新日:2024/05/09)


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今年の夏にはパリオリンピックが予定されるなど盛り上がりを見せていきそうなスポーツ市場。

株式会社帝国データバンク(以下、TDB)がスポーツ業界の景気動向についての調査を分析し、その内容を発表しました。

景気が「良い」と答えたのは2割のみ

2024年3月のTDB景気動向調査によると、「スポーツ業界(※1)」では、現在の景況感を「良い(「非常に良い」「良い」「やや良い」)」と回答した企業の割合は20.0%で、「悪い(「非常に悪い」「悪い」「やや悪い」)」と回答した企業の割合の43.3%を大きく下回る結果となりました。

「良い」と回答した企業の割合は、コロナ前の2019年3月(18.2%)からは上昇しているものの、東京オリンピック前の2021年3月(26.2%)、行動制限の解除やWBCで日本代表が優勝した2023年3月(28.9%)と比べると低下していることがわかります。

※1:スポーツ業界の景況感は、TDB景気動向調査において「事務用・作業用・衛生用・スポーツ用衣服製造業(ニット製を除く)」「スポーツ用品卸売」「スポーツ用品小売」「ゴルフ場」「テニス場」「フィットネスクラブ」などの業種を対象に算出しています。

価格転嫁が停滞中

スポーツ業界では、「仕入単価DI」と「販売単価DI」の両データ(※2)の差を示す仕入販売ギャップが2022年以前との比較で約10ポイント高くなっていることがわかります。

ここから下請けをする事業者が原材料や光熱費・人件費などの上昇分を元請け事業者に対する製品代金やサービス価格へ上乗せする「価格転嫁」が進んでいないといえるそうです。

グローバル展開するスポーツ用品メーカーの業績好調などはあるものの、スポーツ需要回復の波が業界全体には浸透していないという分析結果となったといいます。

※2:DIとは、内閣府が毎月公表する景気動向指数の1つ。0~100%の間で変動し、目安として、継続的に50%をこえれば景気が上向き、50%を下回れば景気が下向きと判断されます。

調査概要

・調査期間:4月16日(火)~30日(火)
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:2万7,052社、有効回答1万1,222社、回答率41.5%
・調査機関:株式会社帝国データバンク

<参照>

スポーツ業界の景況感、『良い』は2割にとどまる 今後はオリンピックの開催や健康志向の高まりによる改善に期待 スポーツ業界の最新景況レポート TDB

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